厚意に深謝し、そして反省

雪景色の新青森駅を降りたつと、圧雪された路面は凍てついていました。

青森県の認定講習があり、昨日まで青森市に滞在しました。
初日の移動にと、前日にホテルフロントにタクシーを予約していましたので、
指定の時間の少し前にホテルの玄関で待つことにしました。
降りしきる雪に、街行く人は、日常のこととして受け入れ、急ぎ歩を進めています。
ふっと時刻を確認すると、予約時刻をまわっていました。
フロントに連絡を取ったところ、タクシーの予約が取れていないことが判明しました。

タクシーは、土地勘のない者にとって絶対的に依存せざるを得ない移動手段です。
足もとの革靴は、なお絶望的な感覚を増幅させました。

何とか気を取り直し、会場の担当者に状況を説明の上、乗車可能な路線バスを問い合わせました。
会場を終点としたバス路線を発見し、幸い、一時間一本ほどのバスに乗車することができました。
市の郊外に向かうバスは、とても暖かく、凍てついた気持ちをじんわりととかしてくれました。
急ぎ会場に入り、パソコンやその接続確認を済ませると、講義を始める時刻でした。
受講者はこの講師に起きた不幸な事態を理解するすべをもちあわせませんが、
このことは私をして冷静に切り替えることに作用したようです。
二日間にわたる講義では、このような受講者の方々にアシストされ、私らしく表現できたと考えています。

夕食をともにした研究室修了生がこの窮状を知って、勤務を調整のうえ、翌日の会場までと帰路の最寄り駅まで車で送迎してくれました。
このときばかりは、厚意に素直に甘えてしまいました。

新幹線の席につくと、不覚にも寝入ってしまったようです。
マフラーを外し、街明かりが過ぎ行くのを眺め、どうあるか思いをはせるときとなりました。

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