SEdu.Lab.Ando
ABOUT US
SEdu.Lab.Ando (以下、研究室)のホームページをお訪ねいただき、ありがとうございます。
研究室の代表をしております安藤隆男です。
本研究室は、私が勤務した上越教育大学、筑波大学の研究室で肢体不自由教育(特別支援教育)及び自立活動等について、ともに学び、語り合った学生、大学院生、研究生のほか、つくば自立活動研究会の会員などにより構成しています。2020年3月の定年退職により、私は大学での教育研究活動は閉じることとなりましたが、研究室を巣立ち、全国各地あるいは海外において真摯な教育研究活動に取り組む、卒業、修了生等の研鑽の場、成果の発信の場として、web上に研究室を開設することといたしました。
名称は、Special Education Laboratory ANDOを略したもので、「せでゅ・らぼ・えい」と呼んでいます。わが国の肢体不自由教育(特別支援教育)及び自立活動の指導等に係る教室での成果を、地域の特別支援教育へ発信するとともに、将来的には国際的な貢献にもつなげていければと考えております。ANDOの「えい」は、アルファベットのはじめの文字であり、過去にとらわれず、未来を志向し謙虚に一歩を踏み出そうという意味を込めています。
上述のように、私は附属学校を含めて40年にわたって教育機関に身を置き、肢体不自由教育(特別支援教育)及び自立活動の指導等の研究の深化に微力ながら尽力してまいりました。いま、組織を離れ、フリーランスの研究者としてのミッションを再定義したとき、実践研究を含む学術研究の本質である「なぜ」、「どうして」の問いを大切に、先行する教育フィールドでの諸事象を多くの同志を得て一つひとつ粘り強く探求し、その成果をわかりやすく発信することであるとの認識に至りました。
したがって、本研究室は、私個人の研究室ではなく、「教室」を舞台に、志を同じくする研究者、実践研究者としての教員(Teachers as Researchers)と協働する場であるといえます。
そうは申しましても緒に就いた活動ですので、多くの方のあたたかなまなざしとご協力により、今後研究室の諸活動を充実させてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2021年10月
Concept
2012年7月、中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委員会は、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進(報告)」をとりまとめました。インクルーシブ教育システムにおいては、「同じ場で共に学ぶことを追及するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である。」として、特別支援学校は、通常の学級、特別支援学級及び通級指導教室と並んで連続性のある「多様な学びの場」に位置付けられました。
2007年の学校教育法の一部改正により第74条が新設され、特別支援学校は、学校に籍を置く幼児児童生徒の教育を行うほかに、地域の小学校等に学ぶ障害のある児童等の指導、担当教員等への支援を行うこととされました。さらに、2017年の小学校等の学習指導要領の改訂により、小学校等で学ぶ障害のある児童等の指導に当たり、自立活動の積極的導入や個別の指導計画の作成、活用を明記しました。インクルーシブ教育の理念が広がるにつれ、小学校等の通常の学級、特別支援学級、通級による指導に学ぶ児童等は、急激に増えています。小学校等における特別支援教育の対象の量的拡大が進む中で、一人ひとりの教育的ニーズに的確に応える指導の実現、すなわち教室における教育の質の確保のために、自立活動の指導や個別の指導計画の作成・活用が注目されたといえます。まさに、特別支援学校はこれまで「教室」で培ってきた専門性を、「地域」に発信することが求められたといえます。
研究室では、基本的に「教室」を基盤に取組まれる実践研究(site based practical research)に着目し、観察される教育の諸事象を分析、解明し、教室での成果を地域へ発信する可能性を探ってまいりたいと考えています。一人一人の教員、あるいは複数の教員が協働して教育の場における複雑な課題に対して、教育学、社会学、心理学などの理論的枠組みを参考にしつつ、アクション・リサーチの手法を積極的に導入して解決の道筋をつけられるような場となることを目指してまいります。
「教室」では決して子どもを見切らず、彼らが見せない姿に迫ることが欠かせません。自己と向き合い、思考し、挑戦する者だけが眺められる「景色」があるのです。
Contentsに示しました様々な活動を通じて、参加する一人ひとりの成長(professional development)を実感できるように、活動をともにしてまいりましょう。